働く価値をいろんな視点で
働くと決めるとき、様々な価値を求めると思います。
「家計の収入を増やしたい」「働く事で社会との接点を増やしたい」「キャリアアップをしたい」などそれぞれに様々な理由があるでしょう。
しかし、私たちは働き始めるとその価値について考えることをおろそかにしがちです。
日々が忙しくなり、仕事も慣れてこなせるようになれば、なんとなく流れ作業のように毎日が過ぎていきます。
それは生活のリズムを作るうえで必要なことなのですが、
「何のために働くのか」をきちんと言葉にできる人とできない人では、仕事の成果が違います。
皆さんが働くということにはどんな価値があるのかということを、意識するタイミングを持ってほしいと思っています。
私は働くことでどんな価値がうみだせるのだろう?
1日に1度で構いません。
それが難しければ、3日や1週間に1度でも、こんな問いかけをしてみてください。
働く事には価値があって、価値を受け取る人がいます。
価値をわかって働いている人は周りからとても魅力的ですし、自分も働く事を大切にできます。
「働く」とは「傍(はた)」を「楽(らく)」にすることである、という言い方をする人がいますが、この考え方がとても大切だと思います。
任されたことをやるのは
「作業」、意味づけをして自分の行動に価値を創ろうとするのが
「仕事」です。
「作業」で終わらせるのか「仕事」にできるのかは、あなたが働く価値をどこにおくかで大きく変わります。
社会に価値を提供しよう
働く価値の一つに、賃金があります。生活にはお金が必要です。
お金を手にすることは、悪いことではありません。
では、賃金をもらうというのはどういうことなのでしょうか?
私たちが賃金をもらえるのは、サービス(仕事)に対する対価を受け取っているということです。
あなたのサービスを、その価格以上と受け取ってもらえた時初めて、対価として賃金が発生し、成立します。
つまりお客様や周囲の環境に価値を提供できた時、皆さんの市場価値の対価として賃金が支払われるのです。
時給、日給はあくまで尺度です。
仕事に対して皆さんが、このぐらいの価値を提供できるだろうというものを時間や日割りで計算していることになります。
職場にいるからお金がもらえるわけではありません。
ただ働いているから評価をされるわけでもありません。
働いた結果が、どの時点の誰に対して
どんな価値を生み出しているのか、ここを意識することでより一層の価値を社会に提供することができます。
その結果が評価になり、市場価値を高め、賃金を高め、皆さんの価値をも高めるのです。
仮にその職場で評価されなかったとしても、その価値を評価してくれる人は必ずいます。漫然と作業をしていた人と比べれば、たった一つの意識で、評価される確率が大きく上がります。
自分の仕事が周りにどんな影響があるのか、仕事に付加価値を与えていくことを考えてみましょう。
ママのがんばりは、未来の子どもたちへの投資
2016年4月に女性活躍推進法が制定され、安倍政権の中で「働き方改革」が叫ばれるようになってきました。
社会は少しずつですが変革の兆しを見せています。
しかし、周りを見渡せばまだまだ女性が働きやすい環境とは言い難いのが現状です。
長時間労働は風土・文化として依然根付いています。
残業転勤ができる人が人事評価の主軸にあり、短時間労働者には簡単な仕事が渡されがちです。
産休・育休が法律で定められていても、実態が追いついていない職場、子育て期の女性が働く上での状況に理解のない職場。
母親たちは、子どもがいるからという自身の能力とは別の理由で「(本当は申し訳なくないことまで)申し訳ない。」と頭を下げながら働く日々があるのが現状です。
それでも、少しずつですが社会は変わってもきています。
若い経営者をはじめとし、男性の育児休暇を推進する企業が増えてきました。
働く男性の中でも、家事育児と仕事を両立したいと思う人が増えてきました。
新卒採用では初任給より、ワークライフバランスを意識して企業を選択する学生が増えています。
キラキラと社会で活躍しつつ、母親としても幸せをつかんでいる女性も良い事例として取り上げられるようになってきました。
その流れを後押しするように、短時間正社員制度・テレワーク・育児期の短時間勤務の延長など制度にも変化が見られます。
こういった環境や制度を活用して働き、結果を出していける社会の枠組みが作られてきています。
社会は急には変化しませんし、自分の思った方向に変わるとも限りません。
私が子供のころは(30年ぐらい前ですね)、
「保育園に子供を置いて働きにでるなんて・・・」と言われつつ、社会進出をしてくれたママたちがいました。
普通の、本当に普通のママたちだったと思います。
このママたち頑張りがあり、今保育園に子どもを預けることは当たり前という社会になってきたのだと思います。
普通の人の日々の行動が、時間を重ねることによって社会は変化していきます。
今、皆さんのこの環境下での頑張りが、未来の子どもたちの投資になります。
皆さんが働く事で発生する価値は賃金だけではありません。
今の、そして未来の社会を作り出すうえで、皆さんが働く事はとても大切な役割を担っています。
子どもたちが生きる次の時代を、今より良い時代として残す役割を担えるのです。
とはいえ、1回目のコラムで書かせてもらったように1人で抱え込んではいけません。
働く前、働き始めてからも家族・行政・民間、様々なサポートが皆さんの周囲にあります。
上手に活用をしながら、働くということを楽しんでください。
家族が笑顔で働いていることは、お子さんにとって最も身近で、価値のあるキャリア教育です。
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この記事を書いた人 福盛 二郎 (ふくもり じろう)
イーキュア(株)取締役
キャリアコンサルタント
コーチングアカデミーインストラクター
米6seconds認定SEI EQアセッサー・プラクティショナー
http://e-cure.jp/
ソフトウェアの会社にてエンジニアを経験後、リーダーとして顧客対応やチームマネジメントを経験。
組織の要は人の成長と捉え、現在は転職支援に加え、企業へダイバーシティ(多様性)を推し進めるセミナーや、子育て中の女性への再就職セミナーなども各地で実施。