勤める
2016.10.13
「働きやすさ・働きがい」を手にするために 2
「がんばる」と「時間をかける」は違う、「働きかけ力」と「主体性」の大切さ
すみません、少し間が空いてしまいました。
今回は、「がんばる」をテーマにお伝えしたいと思います。
「頑張っている人」はどんな人?
皆さんは「仕事で頑張っている人」という言葉からどんな人をイメージしますか?
人一倍仕事をこなし、残業もいとわず仕事に集中している人をイメージされる方も多いのではないでしょうか。
たしかに世の中で成功されている方にはこういった時間の使い方をして仕事の成果を収めている人も多いですよね。また日本のこれまでの「働く文化」として主戦力となる人材は残業とは切っても切り離せない関係でした。
つまり「頑張っている人」=「時間をかけている人」=「成果をあげる人」という図式が成り立つわけです。
子育て中の女性が「がんばる」には
では、子育て中の女性が働く上でこの「時間をかけている人」になれるのか、ということです。
家事育児との両立から考えても、多くの子育て中の女性には難しいのではないでしょうか?
そこで今回は限られた時間の中で「がんばる」、もしくは「がんばっていると思ってもらえる」にはどうしたらよいかに役立つ2つの力についてお伝えします。
「働きかけ力」と「主体性」
経済産業省が定めている「社会人基礎力」という能力があります。
その中に「働きかけ力」と「主体性」というものがあります。
・働きかけ力:他人に働きかけ、巻き込む力
・主体性:物事に進んで取り組む力
社会人基礎力には他にも残り10の力があるのですが、私はこの2つの力が仕事を上手に進める上でとても大切だと思っています。

大切なことは「やりきる」こと
任された仕事を達成させることはとても大切です。
ですが、仕事を1人で「抱え込む」のと「やりきる」ことは違います。
大切なことは、「やりきる」ことです。仕事を任されたからには誰かからヘルプを求めてでも期限までに、求められた質で終わらせることのほうが大切です。
自分がよりよく仕事をする上で、知らなければいけないことは必ず理解するまで聞きましょう。
仕事を納期までにきちんとした質で終わらせるには、できないとわかった段階で助けてもらうよう手を挙げましょう。
「働きかけ力」とは?
「助けて!」「教えて!」の一言が言えること、これはとても大切な「力」です。
ですが時に「恥ずかしい」「申し訳ない」「(できなくて怒られるのが)怖い」様々な感情がこの一言を遠ざけます。
こんな感情がわいたときこそ、感情と向かい合いましょう。
その感情から逃げて結局仕事がパンクすると、きっと怒られるし、信頼も落とします。
もっと「怖い」「恥ずかしい」「もうしわけない」思いを抱えてしまうことになるのです。そっちの方が嫌ですよね?
間違った責任感は限られた時間の中で働かなければいけない自分を追い詰めてしまいます。
「できないと分かった時点で相手を上手に巻き込む」、初めは勇気がいりますが、それが周囲との関係性をよりよくしていく結果にもつながると信じましょう。
この力こそ、「働きかけ力※」で責任感のある行動です。
がんばりを伝える「主体性」
働きかけ力が身についてきたら、次は主体性を発揮して行動しましょう。
「やってみたい」「力がつくかも」「ほかの人の役に立つかも」この気持ちを大切にしてみてください。その気持ちが前向きな行動を引き出してくれるはずです。
気持ちに素直に手を挙げてみましょう、やってみたけどできなければ「働きかけ力」があなたを助けてくれます。
「できないことはできるようにしていけばよい」、それだけなのです。
主体性は周りの人にあなたの頑張りを行動で伝える最も有効的な方法です。
そうして主体的に動いていく姿勢こそによって周囲はあなたを頼りにして仕事を任せたくなります。
同時にあなたが困ったときに助けてくれる心強い存在になります。
時間をかけなくても頑張ることはできるのです!

※ちなみに「働きかけ力」は他人に何かを頼んだり、勧誘すること、また、リーダーシップを発揮することや交渉したり、協力・提携をもちかけるなどほかにも広い意味を含んでいます。
時間をかけない「がんばる」はみんなのため
「時間をかける」頑張り方が間違っているとは言いません。根を詰めて集中し続けることで生まれてくる結果もあります。
ですが、時間をかけることができない現状で求め続けると「私はがんばっていない」と「がんばっていると思ってもらえない」と思い込みが始まり、「役に立っていない」と勝手に自分を否定し始めます。
そうなってしまうと、モチベーションが下がり仕事が楽しくなくなります。
当然、成果にも影響がでてくることは想像ができますね。
介護、自身の病気、さらなる自己研鑽、女性に限らず、すべての人が残業ありきで仕事ができる時代ではなくなってきています。
限られた時間の中で成果を上げてくれれば、残業がなくなったり、効率化ができたりして、企業は人件費を削減できます。
「時間をかける」=「がんばる」の公式からの脱却は、実は企業も人も得をするのです。
あなたらしい「がんばり方」、少しずつ実践してみませんか?
過去の記事はこちら↓

この記事を書いた人 福盛 二郎 (ふくもり じろう)

イーキュア(株)取締役
キャリアコンサルタント
コーチングアカデミーインストラクター
米6seconds認定SEI EQアセッサー・プラクティショナー
http://e-cure.jp/
ソフトウェアの会社にてエンジニアを経験後、リーダーとして顧客対応やチームマネジメントを経験。
組織の要は人の成長と捉え、現在は転職支援に加え、企業へダイバーシティ(多様性)を推し進めるセミナーや、子育て中の女性への再就職セミナーなども各地で実施。